和同開珎と富本銭の違いとは?いつの時代、どの天皇が作ったのか?

これまでの教科書では、「日本最古の貨幣は和同開珎」と教えられてきましたが、

いまテストでそう答えるとバツになってしまいます。

この記事では、そもそも和同開珎とは何か?

そして、和同開珎よりも古い貨幣は何か?を見ていきましょう。

日本最初の流通通貨「和同開珎」

昭和の教科書で、日本で最も古い通貨はこの「和同開珎」と書かれていました。

呼び方は、「わどうかいちん、わどうかいほう」の二種類が一般的です。

この貨幣の出現は和銅元(708)年です。

和銅もしくは自然銅(ニギアカガネ)というのは貨幣を作るための原材料のことで、埼玉の秩父にある黒谷から出土しています。

この銅は純度が高く、精錬を必要としないため、古代の日本では重宝されていました。

ちょうど中国にならって貨幣制度を整えようとしていた和銅時代。

この高純度の銅が貨幣となったのは事実です。

和同開珎を流通させた元明天皇

和銅が発見されたのは元明天皇の時代です。

この発見を元明天皇は大いに喜び銅が朝廷に献上された708年1月11日、同日に元号を「和銅」に改元します。

銅が見つかった喜びで改元するとは、私たちの現代の感覚からすると少し理解が難しいですね。

その後、日本最初の流通通貨となる和同開珎を発行しました。

しかし、和同開珎が「最初の貨幣である」という表現は語弊があります。

日本最古の貨幣に認定された「富本銭」

1999年(平成11年)、和同開珎よりも古いと見られる銅銭「富本銭」が奈良県の飛鳥池遺跡で発見されました。

この富本銭が発見されたのは600年代の地層でした。

そこで、この発見は「歴史の教科書を塗り替える大発見」となったのです。

実は、歴史学者が富本銭の存在をまったく知らなかったわけではありませんでした。

七世紀に銅銭があったことは『日本書紀』にも記されてましたし、

実際、1985年には平城京跡で富本銭は発見されていました。

それにもかかわらず、和同開珎が最古の貨幣とされてきたのは、富本銭が最古だという決定的な物証がなかったからです。

それが、新たに600年代の地層から発見されたことで、和同開珎よりも古いことが証明されたわけですね。

しかし、七世紀、八世紀といえば、まだまだ物々交換の時代です。

つまり、貨幣なんてなくても暮らしていけた時代なのですね。

いったい、富本銭や和同開珎は何に使われていたのでしょうか。

和同開珎

和同開珎の用途は明らかになっています。

平城京を造営するための給料として支払われました。

都の造営には多くの人手が必要で、和同開珎はその給金を支払うためにつくられたのです。

いわば公共事業用の貨幣で、古代は国民を公共事業に駆り出すために鋳造されたのです。

和同開珎の当時の価値

では、貨幣「和同開珎」は一枚でどんなものが買えたのでしょうか。

和同開珎は直径24ミリ、重さ3.74グラム、現在の10円玉とほぼ同じ大きさの銅貨です。

その貨幣価値は、一枚で一文でした。

711年(和銅四)の記録には、「一文でコメ3升買える」と公定されたという記述があるので、和同開珎一枚の貨幣価値はコメ3升分ということになります。

ただし、当時の一升は約600グラム(現代の4合。150gで1合。)なので、

和同開珎一枚で現代のお米が12合(1.8kg!!)も買えますね。

現代(令和元年)ではお米5kgで約2000円なので、この値段を基準にして単純に換算すれば、

和同開珎一枚=720円 となりますね。ただお米の金額はよく変わるため、

大雑把に和同開珎一枚で約1000円。としても構わないと思います。

しかし、これはあくまでも当初のレートで、二〇年後にはコメ一升が二文、四〇年後には一升が五文、五〇年後には一〇文と、貨幣価値はどんどん下がっていきます。

つまりインフレが起きてしまったのです。

インフレの原因は、和同開珎が年々鋳造されて増えていったのに対して、コメの生産が伸びなかったからです。

いまの経済学でいえば、通貨の需給がないところに通貨供給量を増やしたのだから、インフレになるのは当然ですね。経済政策に根本的な誤りがあったというわけです。

富本銭

一方、富本銭はどうかというと、おそらくこれも同じで、一時代前の藤原京造営のための給金として造られたと考えられています。

ただし一般的な貨幣として流通したわけではなく、副葬品としての、おまじないの銭ではないかという説が濃厚です。

いずれにせよ、富本銭は和同開珎と違い、流通通貨としての機能は果たしていませんでした

ちなみに、富本銭は中国の唐の通貨である開元通宝のデザインやサイズの影響を受けているのは確実ですが、ここから和同開珎へ、どのようにつながっていくのかはまだ判明していません。

まとめ

これまでの教科書では、「日本で一番古い貨幣は和同開珎。」でしたが、

これからは

「日本で一番古い貨幣は富本銭。ただし初めての通貨として機能を果たしのたは和同開珎。」ということですね。

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